ここ数年、エコロジー、サステナブル、SDGs、脱炭素、省エネ、自然エネルギー等のことばを聞かない日はないように思います。

 先日、古本屋で掲題の文庫本「エコロジー的思考のすすめ」を見つけました。裏表紙にある紹介文を以下に記載します。

 「いまや環境問題はサミットの議題となるほど深刻化しているが、状況の悪化を防ぐには泥縄式の対策を積み重ねるのではなく、本当に文明のベクトルを変えねばならない。そのためにはエコロジカルな思考が万人の常識となる必要があるのだ。」

 いかがでしょうか。この本の原本は新書版として1971年に出版。1991年に文庫本として再刊されています。驚きはありませんか? 1971年当時は公害問題のさなかだと思います。

再刊されるときに、立花さんは古くなっていないか読み返してみたそうです。一部のデータ以外は大丈夫だったことあとがきに記載されています。

原本出版より50年以上経ちますが、世界が気候変動の現実に驚いて、漸くエコロジー的思考のすすめに本気になってきたということでしょうか。

公害問題を克服した日本が、省エネでも先行した日本が、どこで躓いたのでしょうか?これもまた「イノベーションのジレンマ」の克服の難しさを浮き彫りにする一例でしょうか。

この本と出合ったその日に、大学時代の友人と会う機会があったので、この本のことを話題にしました。そしたら、友人は学生時代にこの本を読んでおり覚えていました。そのことにまた驚かされました。

ネット検索したら、新装版『思考の技術 エコロジー的思考のすすめ』が2020年8月に出版されていました。そう言えば本屋で見たことがあります。やはり時代が要請しているようです。