先週、福岡へ出張で行きました。福岡は世界水泳の影響もあり、ホテルが混んでいます。

よく泊まっているホテルはどこも満室で予約が取れません。また、数か月前と比較すると2倍以上の宿泊料金になっているホテルが多いようです。ホテルによっては4倍近くになっているところもあると聞きました。

高級ホテルの料金はそんなに上がっていないので、割安に感じます。こういう状況がしばらく続けば、ホテル業界の業績はV字回復することでしょう。

ただ、現場の人手不足は深刻な状況のように感じました。今回初めて泊まったホテルの朝食は6時30分からだったのですが、経験上少し早めに開いていることが多いので、6時28分に朝食会場へ行きました。

私の前に既に並んでいる方が1名。6時29分になると私の後ろに3~4名並びました。

朝食会場には従業員が2~3名いるのですが、会場のドアが開く気配が全くありません。並んでいる人たちは時計を見ながらイライラし始めています。32分くらいになると、従業員の男性が準備したての料理をパートごとにスマホで撮影し始めました。おそらく撮影することが義務付けられているのでしょう。その作業を見て待っている人たちのイライラが増して来ているようです。

会場がオープンしたのは34分でした。僅か4分ですが、並んでいる人々の不機嫌度はかなり上がっています。二人いた女性の従業員は外国人でしたので、言葉の問題もあり、オープンが遅れたことへのリカバリーの言葉はありません。ただ淡々と笑顔はなく対応していました。何となく嫌な雰囲気の中で、食事をすることになってしまいました。

翌日は土曜日でしたので、ゆっくりと8時30分に食事会場へ行きました。入り口で、50歳前後と思われるパート従業員の女性が笑顔とさわやかな声で出迎えてくれました。昨日とは全く違う雰囲気で驚きます。

高齢の男性がその女性に「お茶はどこですか?」と告げると、「私がいれて席までお持ちします。」との返答でした。その高齢の男性は帰り際に、「お茶が美味しかった。いれるのが上手ですね。」と女性に告げていました。「それは良かったです。ありがとうございました。お気を付けてお帰りください。」と丁寧に送っていました。

朝から良好なコミュニケーションを耳にすると、何だか清々しい気分になります。近年、このようなちょっとした会話がめっきり少なくなりました。

こういう気遣いや対応ができるパート従業員さんには、少なくとも時給3,000円はお払いしたいと思いました。

もし昨日のオープンが遅れた場面にこの方がいたら、おそらく、さわやかな笑顔と「お待たせして申し訳ありません」と気持ちの籠った言葉で、嫌な雰囲気を払拭していたことと思います。そもそもオープン時間の遅れもなかったことでしょう。

中高年のパート女性には、報酬が見合っているとはとても思えない、高いスキルを持った人をよく目にします(私が知らないだけで高い報酬の方もいらっしゃるかもしれません)。

近い将来、多くの企業がそのような人たちを求めて、高い報酬を提示し合って争奪戦を繰り広げる日が来る予感がします。