NHK Eテレの100分de名著は放送開始から好きでよく観ています。取り上げられる作品は、読みたかったものや興味のあるものが多く、毎月楽しみにています。

ただ、名著には歯ごたえのあるものも多く、放送される1か月間で作品自体を読み終えることが出来ないものも多くあります。ますます読みかけの本が増えて行きます。

今年6月の名著はナオミ・クラインの『ショックドクトリン』だったのですが、あまりにもタイムリーなので驚きと政治的に大丈夫だったのだと思いました。

100分de名著のプロデューサーである秋満吉彦氏の『名著の予知能力』(幻冬舎新書)を読んでその謎が解けた気がしました。取り上げる作品を決めてから放送されるまでの準備に約1年近く掛かるそうです。

そうすると昨年の6月にはまだ健康保険証の廃止の話や防衛費大幅増の話はありませんでした。ただ『ショックドクトリン』を取り上げられた契機は、コロナ禍及びウクライナ侵攻にあることは容易に想像できます。見事な予知能力です。

非常時の状況にある世の中の空気を利用して、予てからの宿願を十分な議論もなく果たそうとする姿勢には怖さを感じます。

尤も私が為政者であったとしても、そういう空気を千載一遇のチャンスと捉えて予ねてからの宿願を果たそうとするかもしれませんが・・・。

『ショックドクトリン』のような為政者にとって不都合な書物が話題になるような社会は健全だと思います。そういう書物が本屋に平積みになっているような社会であり続けたいものです。非常時の世の中の空気を都合よく利用されないために。

話は変わりますが、全国高校野球のベスト8が揃った日の4試合の勝敗予想はすべて当たりました。1/16の確率です。準々決勝も予想しました。これがすべて当たれば、自慢したいと思ったのですが、残念ながら3勝1敗でした。