通勤時間の最寄り駅での人々の行動で、二十一世紀になって大きく変わったなと思うことがあります。

降車して階段を改札へ向かう人々の中に、最短コースを取ろうとする人がいつも複数人います。本来、そのコースは登る人のためのスペースです。床にも矢印で表示してあります。

1990年代まではそのような人はたまに見かけるくらいでした。2000年代の初めの頃からよく見かけるようになりましたが、いかにも急いでいる様子の若い人のみでした。

それが今は20代から50代まで幅広い年齢層の男女に、最短距離で向かって来る人がいつも複数人います。もっとも今世紀も20年以上経過していますので、当時の20代も既に50代かもしれませんね。

日々の仕事で効率を徹底的に求められている姿を想像したりもします。

そう言えば、1970年代に「狭い日本そんなに急いでどこ行くの」という交通標語がありました。

ルール無視のひたすら効率を求める姿に「長い人生そんなに急いでどうするの」と言いたくなりますが、その行動の根源は社会体制や社会システムにあるのでしょう。

バブル崩壊後の一連の不良債権処理のひずみが、今もなお人々の行動原理を変化させているように感じるのは私だけでしょうか。