足の指の骨折のために、公共交通機関等の階段を利用するときは、手摺りに掴まって昇り降りすることを余儀なくされました。

幸いなことに今までは階段の手摺りを持つ機会がほとんどありませんでした。     

手摺りを触って気付きました。冬の手摺りはとても冷たいのです。長い階段は冷たくてとても握り続けることが出来ません。屋外では外していた手袋をすることになります。

駅の手摺りは屋内にあるにも拘わらず、ほとんどは熱伝導性が高い金属製が採用されています。

自宅の室内の手擦りは木製ですが、熱伝導率が低いため真冬に触っても冷たくありません。外階段の手摺りは金属製なので、降りる前に手袋をします。

公共の場の手摺りに金属製が多いのは、コストでしょうか?大量生産が可能なためでしょうか?加工のし易さでしょうか?耐久性でしょうか?見映えでしょうか?それとも前例主義や慣例踏襲でしょうか?

先週たまたま通った施設の手摺りが木製でほっとしました。

そういえば昭和40年代の半ば以降、日本の住宅の窓はアルミサッシが当たり前になりました。当時はアルミサッシが万能だと思っていました。今は断熱性の観点から樹脂サッシや木製サッシが広く普及しています。

私たちは自らの経済性や効率性を求めるあまりに、配慮が行き届かず、実際に使う人に我慢を強いてしまっていることも多いようです。

長年に渡って日本の住宅の多くが、冬の屋内が寒いままに放置されてきたのも同じ構造だったかもしれません。