仕事でEメールを使用するようになってからでしょうか? 簡潔で分かり易い文章が求められるようになりました。
バブル崩壊以降、経済の低成長が続いているにも拘わらず、忙しい人が増えたように感じます。忙しい相手に、一読で要点を正確に理解してもらえる文章を心掛けている方が多いと思います。
学生の頃は、「行間を読め」とよく言われました。当時は国語の読解の授業にどんな意味があるのかよく分かりませんでした。今思うと読解の授業は役に立っていると感じています。
読解力は学びの基本です。一流と言われている文筆家の難解な文章と格闘することは貴重な経験でした。
SNSの時代になり、更に進んで一瞬で理解できる文章が、国を超えて瞬時に飛び交っているのではないでしょうか?行間も何もあったものではありません。正にオリンピックで観た卓球の高速ラリーのような感じですね。
ただ、分かり易さは危険です。どんな事象にもいろんな側面があります。単純化して分かり易くすると、見逃されてしまう側面が多々残ってしまいます。
テレビで自分がよく知っている出来事に関するニュース解説を聞いていると、「本質はそうじゃない」と言いたくなることがよくあります。
多くの人々にものごとを正確に伝えることの難しさを日々感じます。社会全体の共通認識が減っている社会では益々難しくなっているように思いました。