私は福岡県出身者ということもあり、小学生の低学年の頃までは都道府県名と県庁所在地は同じ名前だと思い込んでいました。と言うのは、毎日NHKのテレビ放送で九州及び山口地方の天気予報を観るのですが、九州本土及び山口県は県名と県庁所在地の市名がすべて一致していましたので、そういうものだと思っていました。

小学校3、4年生くらいになると、都道府県名と県庁所在地の名が違う地域があることを知り、友達と県庁所在地のクイズをよくしていました。

当時もなぜだろうと思った記憶があります。特に山梨県は山梨市があるのに、なぜ甲府市が県庁所在地なのだろうと思っていました。今のようにインターネットもなく、調べ物は図書館でするしかない時代で、疑問に思っても調べずにそのままにしていました。(因みに山梨市は、私が生まれる前に既に存在していましたが、戦後に複数の町が合併してできた市です。)

1970年代は調べることには時間と知恵を要する時代でした。複数の検索ワードを入れると、即座に回答が得られるような時代が来るとは、夢にも思っていない時代でした。

昨年、半藤一利さんのある著書の中で、「賞罰的県名説」なるものを知りました。どうしても政治的意図があったように見えてしまいます。真偽のほどは判りませんが、将来的には新資料が発見されて真実が明らかになるかも知れません。

論功行賞的なものはいつの時代でもどんな組織でもあったのでしょう。行動様式や手柄を評価する手段としては万人に判り易い評価方法なのだと思います。

世の中には、賞罰的な目的で実施されたこととは知らずに、今も存在しているものが他にもきっとあるのでしょう。いくつなっても素朴な疑問や直感的な違和感は大事にしたいと改めて思いました。